当社"COM"サイトの構築調整に追われて暫くごぶさたでしたが、今日は「補語」について語ってみようかと思います。
英語では"Complement"と呼ばれ、文型を説明するときに"C"として表現されます。例) S+V+C (S=主語, V=動詞, C=補語)
既にご存知の様に、全て英文は5文型で表現されますが、その内の"S+V+C"と"S+V+O+C"の2文型に「補語」が含まれています。その2文型を基に話を進めてみます。
1. 補語の役割
文中で補語は最も近くの「名詞」を修飾する役割を持っています。文中で「名詞」しか来れない要素は「主語」と「目的語」ですから、"S+V+C"の場合、"C"から最も近い名詞は"S"となり、"S+V+O+C"の場合では、"O"となります。
2. その単語、句、節が補語であるかどうかの証明
この"C"には単語、句 (複数単語の集りだが、最短の文である"S+V"が一つも存在しない場合その集合単語を句と呼ぶ)、或いは節 (文のこと)がなることができ、それらが補語であるかどうかを判断する為の3つの検証方法があります。
(1) 上記「1. 補語の役割」で述べた様に、補語と補語が修飾している品詞との関係が「=」の関係になっているかどうか即ち、右辺=左辺の関係であるかをみる。
(2) 補語と補語が修飾している品詞の間に"be動詞"を挿入し文法的に成り立っているかどうかを確認する。
(3) 補語になれる品詞は「名詞」「形容詞」「動詞」である。
以上の三点の検証をし、いずれも当てはまるなら、その単語或いは句、節は補語であると確認できます。そして、その補語が修飾しているのが主語ならば、それを「主格補語」と呼び、目的語ならば「目的格補語」と呼びます。
☆ 例文
I am a student. 私は生徒です。
英文を訳した時、「~は、~が」が付く部分が主語(S)です。"am"は「be動詞」ですから"V"ですね。つまり、上記の英文は"S+V+C"と考えられます。検証してみましょう。"a student"を"C"とみるならば、その単語から最も近い名詞は"S"である「私」です。これらの関係を読みとります。まず、「私=生徒」であると言えますね。それと"I"と"a student"の間には最初から「be動詞」が使われています。"a student"は「名詞」です。以上の3点から"a student"は"I"の補語、即ち主格補語であると検証できました。
We saw a dog running. 私たちは(一匹の)犬が走っているのを見た。
この文を考えてみましょう。英文を訳した時に「~を、~に」が付く部分が目的語(O)です。それでは、上記の英文は"S+V+O"でしょうか?"a dog running"の訳に「~を」が付いているので"O"ではないかと考える前に、"running"を取り除いた英文を考えてみます。"We saw a dog."となり、「私たちは犬を見た。」となります。これは間違いなく、"S+V+O"と考えられます。それでは、"O"である"a dog"の後ろに付いていた"running"は何?ってことになりますが、動詞に"ing"が付いた単語を現在分詞と呼びます。動詞には「現在分詞」と「過去分詞」という2種類の分詞があり、これらの分詞を補語の位置に使うことで、修飾している名詞が「どのようであるか」その様子を詳細に伝えることができるのです。「現在分詞」といえば中学校で初めて学んだのは「現在進行形」ですよね。"be動詞+動詞のing形"とか唱えて覚えませんでしたか?「~しているところです。」って訳すのでしたね。だから、この英文は、「犬が走っているところを見た」即ち「犬が走っているのを見た」と訳されるのです。"running"が"a dog"を修飾している補語かどうか検証してみましょう。「犬が走っている。」⇒「走っているのは犬」つまり、右辺=左辺が成り立ちます。"A dog is running."現在進行形になります。"running"は現在分詞という動詞です。どうですか?理解できましたか?現在分詞が補語になれるのなら、過去分詞も補語になれますよね。過去分詞(P.P.)を中学校で初めて学んだのは「受動態」でしたよね。「~される」と訳したのを覚えていますか?従って、"C"に過去分詞を使えば"O"が"C"される様子を表現できるはずです。
She had her car fixed. 彼女は自分の車を修理してもらった。
「直訳すると彼女は自分の車を修理してもらった状態で持った。」と訳せ、"had"が「使役動詞」って呼ばれる動詞と知らなくても補語をちゃんと理解していれば、正しい訳が得られることに気づいたと思います。単語レベルでの補語を説明しましたが、もちろん句、節も補語の位置に来ることができますから、語数を増やせる分、より修飾する名詞を詳細に表現できると言えます。つまり、「不定詞」等も句として"S"や"O"を修飾できるのです。補語を頻繁に利用する動詞として、先ほど述べた「使役動詞」や「知覚感覚動詞」等が有名ですが、どれも上記の様に基本的な考え方がしっかりしていれば容易に理解できると思います。
今日は補語の基本理解に付いて説明しました。常々、私は英文が複雑化且つ長文化する一番の原因は名詞を修飾する「形容詞的用法」又は、動詞を修飾する「副詞的用法」に尽きると考えています。ということは、英語を理解する近道は、補語など名詞を修飾するしくみや、動詞を修飾する不定詞、動名詞、関係副詞節等の構造を理解することではないでしょうか。また次回、詳細な説明をしたいと思います。英語を勉強中の皆さん、それでは頑張って下さいね